組版④ノンブル(ページ数の表示)を入れる!
次に、ノンブルを本文に入れます。印刷屋さんに印刷をお願いするときはもちろん、コピー本のときでも必要なものです。ノンブルを入れる場所は、代表的なもので3カ所あります。
- 天 左右型ノンブル・・・市販の文庫でよくあるノンブルの位置
- 地 左右型ノンブル・・・同人誌で多く見られるノンブルの位置
- 地 中心型ノンブル・・・地の真ん中にあるノンブル
この中で、特にややこしい設定をすることもなく入れられるのは③の、地の中心型ノンブルです。
①と②は別項目にて記事を作成予定です。
それでは、③の位置にノンブルを入れていきましょう。
①Wordメニュー[挿入]タブ→画面真ん中あたりの[ページ番号]→[ページ下部]
②「シンプル」→[番号のみ2]
すると「ヘッダー」「フッター」という画面にぱっと切り替わります。平たく言えば「ヘッダー」は上の方、「フッター」は下の方です。今回は、下にノンブルを打つ指示をしたので、フッターの位置を調整します。
- [ヘッダー/フッターツール][デザイン]→「下からのフッター位置」の数字をいじる
- 2mm~3mmなど、好みの位置に調整する
- 位置を決めたら、ノンブルの「1」をドラッグで選択したまま[ホーム]のタブを選択
- ノンブルのフォントとサイズを選択する
- 決まったら[ヘッダー/フッターツール][デザイン]→「ヘッダーとフッターを閉じる」
これでノンブルが入れられました。しかし、この時点ではノンブルが「1」になっているはずです。小説の本文開始ページに合わせて、数字を変えなければなりません。
- 表紙を開いて左のページからすぐ本文が始まる人は、1ページ目が「3」
- そこは中表紙にして見開きから始める人は本文開始が「4」
となります。ノンブルの数字を変えるためには、以下の手順を取ります。
- [挿入]→「ヘッダーとフッター」内の[ページ番号]→[ページ番号の書式設定]
- 「連続番号」[開始番号]に「3」や「4」など任意の数字を入力
これで、3ページ目始まり・4ページ目始まりなど、指定のノンブルが打たれます。
同人誌づくりの必須事項「奥付」を作る
本文ができたので、次に「奥付」を作ります。多くは、本文あとの最終ページにありますが、前書きと一緒に3ページ目や4ページ目に持ってきたり、ページ数の都合で裏表紙(表4)に持ってきたりすることも可能です。
奥付って、何のためにあるの?
そもそも「奥付」とは何のためにあるのでしょうか?そして、どんなことを書けばいいのでしょうか。同人誌が手元にある人は、奥付けに何が書いてあるのか見てみましょう。基本的・代表的、そして必要な事項は以下のものです。
- 本のタイトル
- 発行者(ペンネーム)
- 発行(サークル名)
- 発行年月日
- 連絡先
- 印刷所名
一般書籍においての奥付は慣習です。奥付は、1893年の出版法で記載が義務付けられましたが、現在は義務ではありません。しかし、いつ発行され、どこで編集され、印刷されたものであるのかと書籍に直接情報を記載することで、著作権の存在と責任の所在を明らかにしています。
同人誌でも同じことです。発行者や連絡先を記載することで、発行責任を明確にしています。また、予想できるさまざまなリスクを回避する手段でもあります。メモ書き、覚え書きであるとともに、非常に重要な意味をたくさん持っているのです。
- 日付→いつ発行されたのか明確にすることで、もしも後日、トレースや内容の模倣、パクりなどの被害を受けた時に、先に発行していた証明になる
- 印刷所→印刷所自体の責任の所在証明として必要(乱丁、落丁の対応は自分でする)
- 連絡先→誰でも連絡が取れる状態にしておくのが基本のため、会員登録が必要なPixiv、Twitterなどは奥付の連絡先としては不適当とされている。メールアドレス、WEBのURLなどがおすすめ。
「注意書き」の必要性について
同人誌を発行するにあたり、奥付やその他の場所に、禁止事項、お願い、諸注意などを細かく記載しているサークルさんがとても多いです。これも、考えられるさまざまなトラブルを回避するためであり、もしもトラブルが起きてしまったときでも「注意書きをしていました」と言える手段でもあります。
どのような「注意書き」があるのか、よくあるものを挙げていきましょう。
無断転載・複製・アップロード禁止
著作権とは、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」と定義されています。一次創作のものであれば「私の書いたものを勝手に使うな」と強く出られますが、二次創作の場合は少々ややこしいことになってしまいます。
しかし、どんなにグレーであろうと何だろうと、人の創り上げたものを無断で複製したり、アップロードをしていいはずはありません。はっきりと、禁止であることを記載し、されたら、サーバーに通報するなどのしかるべき手段を取ることをおすすめします。
オークション・フリマアプリなどへの出品禁止
これを挙げているサークルさんもとても多いです。現状、オークションサイトやフリマアプリでは、同人誌の出品が後を絶ちません。
- 二次では、原作の作品名、キャラ名の検索でそのまま同人誌の表紙が出てきてしまう
- なおかつ、サークル名や作家名まで併記されていることが多い
- 頒布価格より高額になっていることも多い
- 自分のあずかり知らぬところで本が出回る恐ろしさ
などなど、オークション・フリマアプリへの無断出品に対しての問題は山積みです。禁止のお願いを書いていても、出品する人はします。「おまじない程度」ではありますが、意思をはっきりと示すことは必要です。
設定・性癖などに関しての注意
これは、3ページ目の中表紙や4ページ目などに記載している本を多く見かけます。特殊性癖と呼ばれるもの、年齢操作、パロなどの場合に「~ですのでご注意ください」と書かれているケースが多いです。
次に、奥付のページの作り方と、データのPDF化についてです。