奥付のページの作り方
奥付ページの作り方は、以下のように3種類あります。
- 新しく「奥付」だけのページのドキュメントを作り、あとでPDFで合体させる
- Wordの設定をいじって、本文から続けて「奥付だけ横書きのページ」にさせる
- ①と②の合わせ技。テンプレートを作っておいて、横書きなどに設定を変更した奥付ページの場所に奥付情報をコピペする。
どれでも大丈夫なのですが、後々のことを考えると、①または③ををおすすめします。なぜかと言うと「奥付のテンプレート」を作っておくと、後で圧倒的に楽だからです。
奥付の作り方①のメリット・デメリット
①は「テンプレートの1ページのファイルを作っておき、必要箇所に変更後、本文とレイアウトをそろえてPDF化し、入稿時には合体してひとつのPDFファイルにする」やりかたです。
メリット
- とにかく楽。
- テンプレートに入力してPDF化するだけでいい
デメリット
- 本文と、ノンブルの位置や天地左右の余白をそろえるために(必ずしもそろえる必要はない)「設定なんだっけ」と何度も確認するはめになる。
- テンプレートから別名保存するときに、うっかり本文ファイルと同じ名前で保存してしまうと地獄
奥付の作り方②のメリット・デメリット
②は「Wordの設定をいじって、本文から続けて『奥付だけ独自のページ』を作る方法です。
メリット
- 1ファイルで済むので、ファイルが散らからずに管理が楽
- 天地左右の余白、とじしろ(ノド)、ノンブルなどの設定が、本文から引き続き使える
デメリット
- ファイルの設定をいじるのが、初めての場合少し面倒(慣れればすぐ)
- テンプレートを用意しておかないと、いちから奥付を作ることになり、締め切り間際はだいぶ焦る
奥付の作り方③のメリット・デメリット
③は「テンプレートを作っておいて②にコピーペースト、入力をして整える」方法です。
メリット
- ②と同じく、ファイルが散らからずに済むので管理が楽
- 本文とノンブル位置などをいちから合わせる必要が無いので楽
- テンプレートを使いまわせばいいので、本に統一感が出る
デメリット
- 慣れないうちはファイルをいじるのに時間が少しかかる
- 本文→奥付の間に何か別のページを挟むときは、この方法が使えないことが多い
- 奥付は、コピーでも印刷でも、同人誌を発行する上で必ず必要なもの!
- 必要な事項に漏れが無いように確認する!
- テンプレートを使って効率よく作成する!
入稿しやすいようにデータをPDF化する!
小説の原稿入稿は「PDFで」と注意書きをされている印刷屋さんがほとんどです。まず、PDFについて簡単にご紹介します。
基礎知識「PDF」とは?
PDF・・「Portable Document Format」の略で、印刷イメージをそのまま保存できるファイル形式。どの環境のPCで開いても、同じように見ることができる
Wordなどのアプリケーションで作成したデータは、環境の違いによって、データを受け取り開いた時や、印刷をした時に、思ったとおりにならないことがあります。
- フォントが置き換わってしまう
- 文字送りが変わってしまう(レイアウトが崩れる)
このふたつが主なトラブルです。しかしPDFであれば、どんな環境でも崩れることなく、どんな端末でもイメージが共有できます。そのため、印刷屋さんではこのPDFでの入稿を推奨しているのです。
それでは、Wordのデータを入稿用のPDFに保存しましょう。
①メニューから「別名保存」でPDFに簡単変換!
- [ファイル]→[名前を付けて保存]
- 入稿用にファイル名をつけ直す ※注1
- [ファイルの種類]の中から「PDF」を選択する
- [最適化]項目 標準(オンライン発行および印刷)にチェック
- 右の[オプション]→「ISO 19005-1に準拠(PDF/AX1)のチェックは、印刷屋さんによって異なるため、確認をする
- 「フォントの埋め込みが不可能な場合には~」の欄にチェックを入れる
- 「OK」でPDF形式のデータが書き出し保存される
奥付や後記を別ファイルで作っていた場合も、分かりやすく別名でPDF保存します。
②PDFが数ファイルになっていたら結合させる!
本文・後記・奥付けなど、データが別々のPDFファイルになっている場合は、できるだけひとつのファイルにまとめた状態で入稿するようにしましょう。途中で挿絵のPSDファイルがはさまり、分かれてしまうこともありますが、印刷屋さんによっては「そこは白紙ページでOKです」というところもあります。
PDFを結合させるにはどうしたらいい?
WEB上で、PDFの結合サービスや、フリーソフトなどがあります。
PDF結合「Smallpdf」 ドロップするだけで簡単に結合できるサイト
I♡PDF 簡単スピーディにPDFファイルを順番に結合できるサイト
他にもPDF結合サービスはあるので、自分が使いやすいと感じたサイトを利用しましょう。
まとめ
これで、本文データが入稿またはコンビニなどでプリントできる状態にまで整いました。3ページ目を中表紙にしたり、後記を書いたりして、自分なりの同人誌を作りましょう。表紙作成のコツは、別の記事で紹介します。
- 小説本文の第一印象はレイアウト!「読みづらそう」と思わせるのはもったいない!
- 奥付は、情報であるとともに自分を守るためでもある!
- PDFの入稿で、レイアウト崩れを防ぐ!
また、ヨコ書きからタテ書きに組み直したときには、表記が思わぬ形で変わっていることが多いものです。目視はもちろん、プリントアウトなどをしての校正を、必ずおこなうことをおすすめします。
はじめは戸惑うことも多くあり、慣れないことに時間がかかるかもしれません。しかしどれも、すぐに慣れることです。自分なりのレイアウトを試しながら、まずは1冊目の同人誌を出してみましょう。